高校1年秋…ライブの日取りも決まり、合宿と言いたいだけのお泊り会を計画した。
藤崎に住むメンバーの家が選ばれ、そこで僕らはバンド練習そっちのけで鍋をつつく。
彼女とどうだとか好きな娘がどうだとかそんなくだらない会話が続いて数時間…僕は急に帰りたくなりメンバーに別れを告げ自転車に乗り帰路についた。
確か…23時を過ぎた頃合い…
田舎道は暗く、とても静かだ。
JR川部駅を横目に、その線路に沿うように走る細道をいく。
すると後方、駅のホームの方向から急に何かが走って来るような音がしだす。
「パタパタパタパタパタパタパタパタパタパタっ!」
何かに追いかけられている…
誰かのいたずらかと思った。
最近近所の悪ガキが夜な夜な駅にたむろしているというような話もあったからね。
面倒だし後ろを振り返ることもなく僕は激チャリをする。
しかしその足音は僕の後方5メートルにくっついて離れない…
余談だが、バイク乗りの友達に並走してもらって僕が自転車で何キロ出せるかはかってもらったことがあるが…ママチャリで50キロくらいだった。
いっこうに引き離せなくて焦り出した頃、道なりに線路を横切ったところでその足音はパタリと止んだ。
何だったのか…
それにしても…激チャリについてくるなんて、やるやん
数日後僕がデットヒートを繰り広げた駅の道付近で、警察が何かを探しているのを見た。
週刊誌によるとこんな情報も。
ある病院から年老いた男性が抜け出して、川部駅で身投げをし電車に轢かれて亡くなったらしい。
男性が履いていた病院のスリッパですぐにわかったらしいと。
警察が探していたのは見つかっていなかった男性の頭部だったらしいが…後に電車の間から見つかったらしい。
08/17の日記おしまい
投稿日:2024/08/17(土)15:04:08
車の免許を取ってまずやった事といえば…秋田県大館市にあるいとく本店を見に行く事、または当時各地に点在していたアダルトビデオの自販機ツアー、そして肝試しスポット巡り。
岩木山の麓に『スペース21』というホテルの廃墟が残っている。
森深く雰囲気もあるため特にヤンキーやギャルは面白がって肝試しに訪れるわけだ。
あの夜僕らが行った時にも先客が数グループいた。
やかましいしやり過ごすことにして、駐車場に地ベタリアンをキメこみみんなで談笑すること数時間…
先客も皆帰り僕らだけになったのはいいが…なんせもうそんなテンションではない。
僕と数人は結局だるくなって駐車場で待ち、そのまま元気があった2人が廃墟へと行くのを見送る。
うぎゃーっ!!
うわーっ!!
楽しんでいるような声が聞こえる方に目をやりながら、変わらず談笑しながら彼らの帰りを待つ。
2階の窓から大きく手を振る人影が見え、待機組も手を振ってそれに応えた。
すると間髪入れずに2人が戻ってきた…。
「おい、じゃああいつ誰よ?」
「煽ってんべ?ボコる?」
息巻く友人に僕は言った。
「どーどー…そもそもあれって人って事で大丈夫?」
みんなで顔を見合わせ数秒間…急いで逃げ帰った。
08/16の日記おしまい
投稿日:2024/08/16(金)11:04:03
僕は幼く、じいちゃんが健在だった時のある出来事。
最近はあまりなくなって来たように感じるが、昔の田舎なんかだとご近所付き合いがもっと濃厚だった気がする。
頻繁にじいちゃんばあちゃんの友達や客人が家へ遊びに来ていた。
物乞いをしてまわる老人には飴玉をあげた記憶がある。
いつもくる薬売りのセールスマンは片方の手の指がなかったのが印象的だった。
そんな中じいちゃんと顔を合わせる度に言い争いをする爺さんがいた。
ふたつみっつ隣の家の爺さん。
家の居間から庭を見渡す窓をはさんで網戸越しにバトルをする。
「いだが〜?!」
あの夜も突然の訪問。
僕ら家族としては慣れっこで相手にしないが、じいちゃんは毎度受けてたつわけだ。
暗いし顔を見せるうえでもカーテンくらいあけてバトルしたらいいのにとみんなで笑った。
後になって…その爺さんはその日、夜を迎える前に亡くなっていたことを知った。
08/15の日記おしまい
投稿日:2024/08/15(木)09:14:57