どうも、サンタさんのコスプレっていわゆる爺さんのコスプレですよね?うたかたです。
酒の市場調査をしなくなって久しいが、たまに品揃えがいいスーパーなんかで無意識に立ち止まる。
た、高え…
少し目を離した隙にこんなにも値段があがったのかよ…
もはやウィスキーなんかは適正価格ではない。
材料費うんぬんや稀少価値ばかり。
ある時某メーカーが欲を出し、それまでささやかにBarで楽しまれていた銘柄のグレードを下げ居酒屋にばら撒いた。
当時NHKでやっていたドラマ、ジャパニーズウィスキーの父『まっさん』の影響も助けて爆売れ。
一気に原酒が足りなくなり稀少価値がつき、5000円のウィスキーが20000円になった。
少なくともBarでそれまで愛していた人達は愛することをやめるほど…そもそも手に入れるのも困難になった。
某メーカーの愚策で、それまで愛し支えてきた人達からそれを取り上げたのだ。
付き合いがあったラウンジのママから連絡をいただいた。
「ウチのお客様のボトル、キープ期間が過ぎちゃって捨てるのももったいないし良かったら使って」
ごっそりと酒が入った段ボール箱を開けると、そこには僕がどれほどメーカーに食い下がっても手に入らなかった酒ばかり…しかもほとんど飲まれていない。
聞くと、メーカーが数人で飲みに来て
「ああ、いくらでも卸せますよ!」
と営業をかけていたらしい。
Bar連中は門前払いにみな泣き寝入りしたのに…商売とは残酷なものだと改めて痛感した。
僕はその日の営業終わりに知り合いのBarのカウンターで、悔しくて情けなく泣いた。
いただいたそのボトルを店で出せば相当な売り上げになっただろう。
つくづく商売に向いていない僕は、それを無償で別なバーテンダーへ譲った。
お気に入りの嬢の為、素敵な時間の為にというそのお客様の想いが宿ったボトルを僕は売れなかった。
想い返せば、それでもあの時それを飲みたかったBarのお客様に黙ってお出ししていればたくさんの笑顔を見ることができたのかな。
もうよくわからんな
とりあえず舐めさせろ