千円札の新紙幣のお顔。北里柴三郎さん。この方は1853年現在の熊本県の代々の庄屋と言う村や町の代表者となる家系に生まれました。

そう言った家系から、両親は教育に関しては一切の甘えを許さない厳しい家庭でした。

軍人に憧れていたのですが父親の勧めで18歳で古城医学所の医学部に入学します。この時、オランダ人の軍員と知り合い医学の世界を教えられます。それをきっかけに医学に目覚めていくようになるんですね。

21歳の1874年に東京医学校（現在の東京大学医学部）に進学して在学中に

「医者の使命は病気を予防する事にある」

と確信します。素晴らしいです。まさにその通りだと思います。柴三郎は予防医学を生涯の仕事にすると決意します。その志を元に卒業後は内務省衛生局に就職しました。1886年。同郷で古城医学の同期であった「緒方」と云う人物の図らいによりドイツのベルリン大学へ留学します。

その留学中に柴三郎は「破傷風」と言う傷口に菌が入り込み最悪死亡してしまう恐ろしい病原菌の発見、更に破傷風の菌を単独で増やして実験に使う純粋培養と云うものに成功します。私達が転んで怪我をしても治るのは北里柴三郎さんのおかげなんですよ。

更に翌年にはその菌の毒素に対する免疫抗体を発見した上にそれを応用して血清療法ってのを確立させたんです。ちょっと難しく書いてしまいましたが眠くなった方はほっぺた引っ叩いて読んで下さい。これって凄い事なんです。

例えばだけど毒のある蛇とかマムシに噛まれたとします。そうするとその毒の抗体をもつ血清（薬）を投与して体内で毒と抗体が喧嘩して毒を消滅させるんです。つまり、毒や菌に対しての治療が出来るようになったんです。

今は一般的な治療法として当たり前に使われていますが当時は世界の医学界を驚愕させる程の大発見だったんです。そりゃそーよ。

この事によって柴三郎の名は一躍世界的な研究者として名を挙げたんです。日本人すげーです。全世界の研究所からスカウトされたのですが柴三郎は「この留学の目的は日本の医療体制の改善と伝染病から国民を救う事にあります」と1892年に帰国し総務省衛生局に復帰します。

この時にドイツの留学でお世話になった緒方氏ですが「脚気（かっけ）」と云う病気の病原菌を発見したと発表します。しかし柴三郎はこの実験の手法の指摘をして病原菌の発見を拒否したんです。

緒方からすれば、留学の時にあんなに面倒見て良くしてやったのになんだよあいつはよお！！ってなってしまい結果仲が悪くなってしまいったんです。この仲違いが母校の東京医学部と対立する事を意味していたんです。

当時は東大でしか伝染病の研究ができる場所がなく柴三郎の今後の活動に影響を与えてしまったんです。しかし世界的にも相当な功績を残した柴三郎に、それにふさわしい研究環境がないのはおかしいだろ！と疑問に思った人物が現れたんですね。

それがなんと我らが？福沢諭吉さんだったんです。1892年に伝染病研究所の所長に抜擢され、伝染病と細菌の研究に取り組み香港で流行ったペスト菌の発見、狂犬病やインフルエンザ予防薬などの研究なども取り組んでいくようになりました。

1901年に福沢諭吉が亡くなってから慶應義塾大学に慶應義塾医学部を誕生させます。

日本医師会を設立したり近代医学の発展の石づえを築いた方だったんですね。

はい、こちらの北里柴三郎さんも「誰？」なんて言ってる場合ではない人物だったんです。

新紙幣の3名の偉人の紹介いかがでしたか？私自身も知らない人ばかりで名前を聞いた時には「うん、だあれ？」なんて言っていましたがびっくりする程の凄い人物だったんですね。勉強になりました。

藤井りか