秋田県
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デリヘル
『ハートムーン横手』
2024.02.05.月
大河への道
「大日本沿海 輿地全図」とかけまして、北海道における狩猟免許の受験定員数追加(※1)、と解きます。
その心は、どちらも「測量士が必要(即、猟師が必要)」でしょう。
こんばんは🌙満光亭しずかです😊
本日も、お呼び下さった皆さん、ありがとうございました✨
以前、歴史好きの仲良しさまと
「大河ドラマにしてほしい偉人は誰か」
「既に有名な人じゃなく、マイナーな人を大河ドラマで再評価しても面白いんじゃないか」
などとお話させて頂いた後に発見した映画「大河への道」。
立川志の輔の新作落語が原作、と言う、ユニークな作品です。
地元の偉人・伊能忠敬を大河ドラマにしたい。そのためには、オリジナル脚本の草案をNHKに提出しなくてはならない。伊能忠敬 大河ドラマ化に向けて奮闘する市職員を中井貴一が好演しています。
脚本家の加藤先生本人が「加藤は死にました」と言って、市の職員を追い返そうとするくだりなんか「『お見立て』(※2)じゃないんだから」とクスリとさせられるなど、元々が落語なだけあって、さらりと粋なユーモアが散りばめてあるところも楽しい。
落語とは人の業を肯定する芸です。笑うことで蔑むのではなく、笑うことで赦す芸です。
人間なんて、嘘もつけばズルもする。怠けてみたり、しくじってみたり、助平だったり、愚かだったりする。
ただし、そこには、子供可愛さゆえの親の愚かしさであったり、情がある生き物であるがゆえのしくじりであったり「そんな部分にこそ、人間らしさと言うものが息づいてるんじゃなかろうか」と思わせる、温かみがある。
「大河への道」は、忠敬の死後、遺志を引き継ぎ、「大日本沿海 輿地全図」を完成させた門弟たちと、そのサポートを務めた幕府天文方の高橋景保にスポットライトを当てています。
「伊能忠敬じゃなく、高橋景保と弟子たちをメインに据えた物語にしたい」と主張し出す加藤先生の、その理由が尊い。
「名もない、名前も残らない奴らのことなんか、俺が書かなきゃこの世から消えちまうんだよ。忠敬さんが地図を残したかったように、俺もこいつらのことを、この世に残してやりてぇのよ」
この台詞は、落語と言う芸に対する敬意にも感じられて、非常に胸にくるものがありました。
落語もまた、歴史には記録されない人々の物語です。
政に関与したわけではない。偉業を達成したわけでもない。太閤記や徳川実記のように、いちいち記されて、公に残されることもない、市井の人々の感情の機微を口伝で繋いできた芸能です。
歴史の道筋の暗渠に、足跡すら残らず、でも、確かに営まれてきた人間の喜怒哀楽を伝える物語なんだよね。
笑えて、泣けて、人情味があって粋。
「大河への道」、落語と映画と史実が見事にクロスオーバーした、本当に良い作品だと思います。
落語界のロック・スター立川談志(※3)は
「落語は、忠臣蔵の四十七士じゃなくて、逃げちゃった残りの赤穂浪士二百五十三人が、どう生きるかを描くもんだ」
と言っています。
これはこれで映画や大河ドラマにしたら面白そうです。
三谷幸喜さんあたり脚本で、ぜひ、お願いします。
(※1 北海道では、2023年度の狩猟免許試験に定員を大きく上回る申し込みがあり、羆による獣害の深刻化から、ハンター数の確保を目的として、今春に追加試験を実施する)
(※2 風俗嬢が概要を解説するにはブラック・ジョークすぎる演目。とりあえず、古今亭志ん朝で聞きましょう。ワタクシの推し、春風亭一之輔バージョンも味わい深い)
(※3 ロックとは音楽のジャンルではなく、精神の形態です。立川談志の人間観は、ワタクシが敬愛する安吾の「堕落論」に通じるところがあって好きです)
投稿日:2024.02.05(月)23:12:12
14:00から出勤します
投稿日:2024.02.05(月)13:05:51
君たちはどう賭けるか
投稿日:2024.02.04(日)23:31:44
14:00から出勤します
投稿日:2024.02.04(日)13:15:39
哀れなるものたち
投稿日:2024.02.03(土)23:42:00
14:00から出勤します
投稿日:2024.02.03(土)13:15:48
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その心は、どちらも「測量士が必要(即、猟師が必要)」でしょう。
こんばんは🌙満光亭しずかです😊
本日も、お呼び下さった皆さん、ありがとうございました✨
以前、歴史好きの仲良しさまと
「大河ドラマにしてほしい偉人は誰か」
「既に有名な人じゃなく、マイナーな人を大河ドラマで再評価しても面白いんじゃないか」
などとお話させて頂いた後に発見した映画「大河への道」。
立川志の輔の新作落語が原作、と言う、ユニークな作品です。
地元の偉人・伊能忠敬を大河ドラマにしたい。そのためには、オリジナル脚本の草案をNHKに提出しなくてはならない。伊能忠敬 大河ドラマ化に向けて奮闘する市職員を中井貴一が好演しています。
脚本家の加藤先生本人が「加藤は死にました」と言って、市の職員を追い返そうとするくだりなんか「『お見立て』(※2)じゃないんだから」とクスリとさせられるなど、元々が落語なだけあって、さらりと粋なユーモアが散りばめてあるところも楽しい。
落語とは人の業を肯定する芸です。笑うことで蔑むのではなく、笑うことで赦す芸です。
人間なんて、嘘もつけばズルもする。怠けてみたり、しくじってみたり、助平だったり、愚かだったりする。
ただし、そこには、子供可愛さゆえの親の愚かしさであったり、情がある生き物であるがゆえのしくじりであったり「そんな部分にこそ、人間らしさと言うものが息づいてるんじゃなかろうか」と思わせる、温かみがある。
「大河への道」は、忠敬の死後、遺志を引き継ぎ、「大日本沿海 輿地全図」を完成させた門弟たちと、そのサポートを務めた幕府天文方の高橋景保にスポットライトを当てています。
「伊能忠敬じゃなく、高橋景保と弟子たちをメインに据えた物語にしたい」と主張し出す加藤先生の、その理由が尊い。
「名もない、名前も残らない奴らのことなんか、俺が書かなきゃこの世から消えちまうんだよ。忠敬さんが地図を残したかったように、俺もこいつらのことを、この世に残してやりてぇのよ」
この台詞は、落語と言う芸に対する敬意にも感じられて、非常に胸にくるものがありました。
落語もまた、歴史には記録されない人々の物語です。
政に関与したわけではない。偉業を達成したわけでもない。太閤記や徳川実記のように、いちいち記されて、公に残されることもない、市井の人々の感情の機微を口伝で繋いできた芸能です。
歴史の道筋の暗渠に、足跡すら残らず、でも、確かに営まれてきた人間の喜怒哀楽を伝える物語なんだよね。
笑えて、泣けて、人情味があって粋。
「大河への道」、落語と映画と史実が見事にクロスオーバーした、本当に良い作品だと思います。
落語界のロック・スター立川談志(※3)は
「落語は、忠臣蔵の四十七士じゃなくて、逃げちゃった残りの赤穂浪士二百五十三人が、どう生きるかを描くもんだ」
と言っています。
これはこれで映画や大河ドラマにしたら面白そうです。
三谷幸喜さんあたり脚本で、ぜひ、お願いします。
(※1 北海道では、2023年度の狩猟免許試験に定員を大きく上回る申し込みがあり、羆による獣害の深刻化から、ハンター数の確保を目的として、今春に追加試験を実施する)
(※2 風俗嬢が概要を解説するにはブラック・ジョークすぎる演目。とりあえず、古今亭志ん朝で聞きましょう。ワタクシの推し、春風亭一之輔バージョンも味わい深い)
(※3 ロックとは音楽のジャンルではなく、精神の形態です。立川談志の人間観は、ワタクシが敬愛する安吾の「堕落論」に通じるところがあって好きです)