西田敏行さんが亡くなって、ふと思い出したのですが随分と前ではありますが怪我で入院している時に、いつもフロアで窓の外をずーっと眺めてるおじいさんがいたんです。

毎日毎日眺めているので気になって「いつも何を見ているんですか？」って声をかけたんです。そうしたら雲を見てる、と教えてくれました。

「昔なあ、きんと雲に憧れて雲に乗りたかったんだよ」

それで雲を眺めていたとは。めっちゃかわいくないですか？91歳と言ってました。きんと雲て、堺正章さんの「孫悟空」より前にあったのかな？アニメかな？

その次の日に昔の写真を見せてくれたんですが結婚式の披露宴の写真で若かりし頃の西田敏行さんと、そのおじいさんが一緒に写ってる写真があったんです。

「あれ？これって西田敏行さん？」

「そうそう、若いだろ？こっち俺なんだ」

と色々と見せて下さいました。あのおじいさんは一体何者だったのでしょう？

藤井りか