脚を開かれたまま、
再びマイクが太ももの間に滑り込む。
「さっきのより、奥で締まってんだろ。今夜は映像も撮る」
彼の声と同時に、
スマホのカメラがこちらを向いていた。
「ずちゅっ…ぶちゅっ…じゅぼっ…っぬちゅ…」
最初の一突きで、
昨日よりも深く、下腹に響いた。
奥が痙攣するたび、
録音がぴちゃぴちゃと跳ね返す。
「乳首も震えてる。カメラ、ちゃんと拾ってるぞ」
「ん゛…っ、ぅっ、ん…んん……」
喘ぎと音が重なって、
声にならない声が喉からこぼれる。
「出すぞ。中でまた、締めさせてやる」
彼の腰が最後まで押し込まれた瞬間──
奥の奥が、びくっ、びくっ…と跳ねて
彼の射精をぎゅうっと締めつけながら、
またわたしの中に熱が溢れていった。
スマホのマイクが、
その音すら全部拾っていた。
「昨日の、聴けよ」
彼がスマホの再生ボタンを押すと、
ベッドルームにわたしの声が流れ始めた。
「ぅん…ん゛っ…くっ…ぅ…」
奥まで入ったときの声。
濡れた音がマイクに当たって跳ねる音。
「ぶちゅっ…じゅぼっ…ずちゅ…っ」
何度もイかされかけて、
声を殺したはずの喘ぎが──
全部、聴こえてくる。
「今の身体でもう一度…入れたらどうなるか、試すか?」
ローションなんて使われてない。
でも、再生されてる声を聴いてるだけで、
奥がじゅわっと反応した。
「……濡れてんじゃねえか。まだ挿れてねえのに」
羞恥より先に、
わたしの中が欲しがっていた。
脚を縛られたわけじゃないのに、開かされたまま動けなかった。
仰向けのまま、ベッドの縁に尻を寄せて、腰の下に丸めたタオルが入れられる。
そこに置かれるのはスマホのマイク。
「今日は、おまえの“締まり”が録れるか試す」
低く呟かれた声に、乳首がぴくりと立つ。
わたしの脚は、自分の意志ではもう閉じられなかった。
視線の先には、男がもう一人。
喋らない、動かない、ただ椅子に座って、じっと見ている。
録音と、視姦と、命令。
それだけで、脚の間からじゅわっと音が立つほど、身体の奥が熱くなっていた。
「動くなよ。音、濁るからな」
そう言って彼が、下着の脇から指をすべらせる。
くちゅっ、ぬちゅっ……と最初から音が出てしまう。
「……もう濡れてんのか。声、我慢できなかったら出せ」
そう言いながら、片方の乳首を指先で軽く転がす。
ぐちゅっ、ずちゅっ、ぬぼっ……
わたしの中に、浅く、何度も何度も擦るように出し入れされる。
「……ぅん゛っ、んっ…くっ……っ」
喉の奥で押し殺した喘ぎ。
声を殺すと、音がよく聴こえる。
自分の中が、こんなに濡れてるなんて、
こんなにいやらしい音が鳴るなんて、
再生されたらどう思われるんだろう──
そう考えただけで、脚の奥が痙攣する。
「ほら、また締まった。奥の声がちゃんと録れてるぞ」
乳首をひねられた瞬間、腰がびくんと浮いた。
指は浅いまま、でも中は勝手に飲み込もうとして、ぴくぴくと締まってしまう。
ずちゅっ…ぬちゅっ…じゅぼっ……
マイクがその全部を拾っていた。
見られている。録られている。
でも逃げられない。
いや──逃げたいとも思っていない。
突き上げじゃない。激しさでもない。
浅く、じらし、なぞるように擦られるだけで
わたしの中は、もう、限界まできていた。
「イクなら、締めろ。声は録った」
その一言で、
喉の奥が震えて、
乳首が硬く痙攣して、
奥がずぶずぶに締まりきったまま、
声にならない声をこぼして、
わたしは果てた。
マイクの横で、ぴちゃっと音が跳ねた。

