森の奥、人気の絶えた暗がり。
俺は女の手を引き込み、木陰に押しつけた。
「……こんなところで」
小さな抗いの声。しかし、腰は逃げずに俺を受け止めている。
唇を重ねる。すぐに濡れた音が夜に滲んだ。
舌が吸い込まれ、女の喉から「あっ」と甘い声が漏れる。
指先が胸を探れば、布越しに硬く尖った感触が跳ね返った。
ブラウスをはだけると、夜気の冷たさに乳房が震えた。
掌で揉むと、柔らかさの奥から熱がじんわりと滲み出す。
「旦那に……悪い」
口ではそう言いながら、女は背を反らせ、俺の手を離そうとしない。
スカートを持ち上げ、指を這わせる。
瞬間、ぐちゅり、と粘ついた音が立ち上がる。
女は慌てて口を塞いだが、遅い。
耳にまとわりつくその水音が、俺の欲をさらに焚きつけた。
「濡れてるじゃないか」
囁くと、女は羞恥に震えた。
だが指を動かすたび、くちゅくちゅと夜を汚す音が響く。
もう堪えられなかった。
腰を押しつけ、一気に突き入れる。
ずぶり、と沈み込む感触に、女は大きく目を見開いた。
「……っ、あああ!」
声が漏れ、慌てて唇を噛む。
腰を引くと、ぬちゅっと糸を引く。
再び突き込むと、じゅぷっと泡立つような音が弾ける。
「聞こえるだろ……自分の音」
女は羞恥に震えたが、奥はきゅうっと締まり、俺を逃さない。
(後編につづく)