紅の灯りに照らされ
ゆるりと振り返るその瞬間、
視線はもう外せぬはず。
幾重にも重ねた打掛の奥に
隠しているのは
理性を溶かす甘い罠。
「こちらへ…」
袖を引くだけで
殿方様の鼓動が
速くなるのがわかる。
近づけば近づくほど
香る吐息、
触れそうで触れぬ距離。
逃げ道など
用意しておりませぬ。
指先でなぞるように
心を奪い、
囁きで崩し、
気づけば
かなたの世界の奥へ――
三月八日、
この日だけは
殿方様を“客”とは呼びませぬ。
ただ、
かなたに溺れる男として
可愛がって差し上げます。
さあ…
堕ちる覚悟は
できておりますか?
お待ち申ししております❤️

