薄暗い室内に､柔らかな陽光が差し込む｡
窓際には､生けられた赤いﾊﾞﾗが妖艶に揺れている｡

冷蔵庫から取り出したのは､鮮やかなｵﾚﾝｼﾞ色のｻｰﾓﾝ｡

ﾌｫｰｸでそっと触れると､ひんやりとした感触が心地よい｡

包丁を握りしめ､深呼吸をする｡

ｻｰﾓﾝの表面をなぞるように､ゆっくりと包丁を入れる｡
切り出した身の断面は､まるでﾊﾞﾗの花のように美しく､中心に赤い色が濃く染まっている｡

ﾌﾗｲﾊﾟﾝにｵﾘｰﾌﾞｵｲﾙをひき､熱する｡
油が踊る様子を眺めながら､ｸﾞﾗｽにｼｬﾝﾊﾟﾝを注ぐ｡
ｸﾞﾗｽを傾けると､繊細な泡が立ち上がり､きらめく｡
ﾌﾗｲﾊﾟﾝにｻｰﾓﾝを乗せると､ｼﾞｭｯという音が響き渡る｡

食欲をそそる香りが部屋中に広がり､私の心を焦がす｡
焼き色がつき始めると､ｻｰﾓﾝの表面が光沢を帯び､まるで宝石のように輝いて見える｡
焼きあがったｻｰﾓﾝを皿に盛り付け､ﾊｰﾌﾞを添える｡

その姿は､まるで宝石箱の中に収められた宝物のように美しい｡

ﾌｫｰｸとﾅｲﾌを持ち､一口大にｶｯﾄする｡ﾅｲﾌを入れた瞬間､ｼﾞｭﾜｯと音がして､肉汁が溢れ出す｡
口の中に運ぶと､とろけるような舌触りと､上品な脂の甘みが口いっぱいに広がる｡
まるで､恋人の唇に触れたような､甘く切ない感覚｡
噛みしめると､身の奥深くから旨みが溢れ出し､私の心を満たしていく｡
ｼｬﾝﾊﾟﾝを一口含み､ｻｰﾓﾝを味わう｡
ｼｬﾝﾊﾟﾝの爽やかな酸味が､ｻｰﾓﾝの濃厚な味わいを引き立て､至福のひとときを演出する｡

窓の外には､穏やかな午後の光が差し込み､部屋全体を温かい光で包み込む｡

私は､美食の世界に浸っていた｡

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午後からもあなたに素敵な時間が流れますように🎶