『あめ』の写メ日記☆

その距離、息が触れるまで

[2026.02.07(土)15:38:17]

ドアが閉まる音って、どうしてあんなに静かなのに、胸の奥まで響くんだろう。

コートを脱ぐ仕草ひとつで、空気が少しだけ重くなる。視線が絡んだ瞬間、言葉より先に、温度が伝わった。

 

「……寒かった?」

 

そう聞かれただけなのに、返事が遅れる。

近づく気配。香り。わずかに触れそうで、触れない距離。

指先が、逃げ場を探すみたいに、シーツの端をつかむ。

 

何もしていないのに、もう十分に、心臓はうるさい。

呼吸のリズムが揃っていくのが、はっきり分かる。

 

「そんな顔、されたら……ずるい」

 

囁きが、耳元をかすめる。

視線が、首筋をなぞるみたいに落ちてくる。

ただそれだけで、背中にぞくっとした熱が走る。

 

触れる前の、この一瞬。

一番、想像が暴れる時間。

一番、理性が試される距離。

 

私は、ゆっくり顔を上げて、あなたを見る。

唇が近づく。

息が、混ざる。

 

——その先は、今日のお楽しみ、ということで。



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