『しずか 【色白癒し系美乳美女】』の写メ日記☆

文人めし〜谷崎潤一郎・宇能鴻一郎〜

[2024.01.03(水)03:15:30]

こんばんは✨シズカです🖊

最近、私がハマっている一人遊びが「文人めし」です。

文人めし、とは、文豪たちが好んだ食事を追体験することで、彼らの感性を理解しよう🤔と言う遊びです。







「食べる、と言う行為は、性行為と同じくらいエロティックなのでは?」と考えるきっかけになったのは、村上龍の「料理小説集」。

そして、食にまつわる随筆で、最もエロスを感じたのは、谷崎潤一郎の「少年の記憶」に綴られた蒟蒻の描写です。

お正月用のお煮しめを仕込んでいて、ふと、思い出しました。


「十歳になった正月、私は初めて、お節の煮〆の中にある蒟蒻を喰った。私はツルツルした蒟蒻の肌を珍しそうに舐めて見たり、口腔へスポスポと吸い込んで舌に含んで見たりした。そうして、物体の形状から予め想像して居た通りの味である事を知った。人間の好む食物には味覚の快感を第一の条件とする物と、触覚の快感を第一の条件とする物と、二つの種類のあることも知った。其れ以来、私は蒟蒻が大好きになつた」
(谷崎潤一郎「少年の記憶」)


まるで官能小説のような描写ですが、美食家で知られる谷崎の味覚にまつわる原風景が、煮しめの蒟蒻とは、意外と素朴。

人間は、生命維持のための栄養補給として食事を捉えている人々と、食べる行為自体に愉悦を覚える人々に分かれます。谷崎は紛れもなく後者で、私も後者に属します。

個人的に、谷崎より水が合うのが宇能鴻一郎。エログロに対して、食と欲と性癖に対して、より貪欲な感じが好き。私的には、赤江瀑もこの二人と同じカテゴリーなんだな。

谷崎には、牡丹の花のように厚く甘やかな獣肉を、海硝子のように透けるてっさを、螺鈿の箸で口に運ぶような美しさがありますが、宇能は、手掴みで肉を口に運び、脂を啜り、骨まで舐る。そんな感じ。二人は、性癖には通じる部分が大きいのですが、アプローチの方法が異なります。

宇能鴻一郎「べろべろの、母ちゃんは…」も、少年の性の目醒に、蒟蒻が絡んでくる話です。

更に「姫君を喰う話」では「愛した人を食べる時、どこを食べたら、その人を最もよく知ることができるか」にまで言及します。

私が不勉強なだけかもしれませんが、私の知る限り、谷崎の作品でカニバリズムを書いたものはありません(ご存知の方いたらご教示下さい)。

美食と官能の臨界は、カニバリズムだと思っているので、谷崎がそこに至らなかったのが不思議です。

谷崎は、女性の排泄物に対しても、執着を見せた作家です。

なおさら「好きな女性の味を知りたい」「好きな女性に食べられて、最終的に糞になりたい」と言う境地に足を踏み入れなかったのが、甚だ疑問です。

「何人もの処女の素足に踏み潰されて、ポートワインにされる葡萄になりたい」くらいは軽く夢想しているはずだ、谷崎は。

谷崎は、私が敬愛してやまない三島由紀夫先生が、大谷崎と仰ぎ、その逝去に際し「これだけの作家が亡くなれば、国家が弔旗をかかげてもいいし、国民が全部黙祷してもいいんじゃないか」と悼んだほどの人物。

三島先生はご自身の作品について「三島と言う作家を知りたければ、まず『憂国』を読んでほしい」と話していました。文学ファンとして、谷崎と言う作家の作家性を知りたければ、まず「刺青」を。谷崎と言う作家の美と性の到達点を味わうなら「春琴抄」だと考えています。

この「春琴抄」を漫画化した「ホーキーベカコン」と言う作品があり、ポップな絵柄からはあまり期待していなかったのですが、非常に原作理解が深いコミカライズだと感じました。

原作にないエピソードもあるのですが、蛇足になっておらず、却って、春琴と佐助の関係性を補完しているのです。

例えば、春琴の排泄物を肥やしに育った菊の花びらを、佐助がうっとりと食むシーンがあります。

「谷崎イズムをわかってるね!」と、ワタクシ、膝を打ちました。

谷崎の作に、今昔物語に材を取った「少将滋幹の母」がありますが、これに「惚れた美女の排泄物を入手してみたら、やんごとなき丁子の香りがして(以下自主規制)」と言う平貞文のエピソードが雑えてあります。うん。谷崎ってそういう人なのよ。

ちなみに丁子は、女神散と言う薬の材料にもなります。女神の糞便で作られる薬。マニアが聞いたら、狂喜しそうです。







文豪には愛猫家が多いのですが、例に漏れず谷崎も大の猫好きでありました。

谷崎が最も愛した雌猫・タイの写真が残っているのだけど、そりゃあもう、可憐な顔立ちの瞳の大きな美猫で、美の隷属であった谷崎が溺愛するのも無理はない。

その溺愛ぶりは、獣の親が子にするように、自分が咀嚼したものを口移しで食べさせるほどだったとか。

私が個人的に最も、愛と官能を感じる、谷崎の食にまつわるエピソードです。

ふと、谷崎潤一郎に、コピ・ルアクについてどう思うか聞いてみたい、と思いました。

「心中狸」を書いた宇能なら、一家言ありそうですが。


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